本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、まずは行政書士として開業するまでの経緯を簡単に教えていただけますか。
よろしくお願いします。大学を卒業後は、音楽関連の会社で著作権を管理する仕事をしていました。大学のサークルで楽器を少しやっていたこともあって音楽に関連する会社を選んだのですが、民法や著作権法といった法律を知らないと仕事にならないということを会社に入ってから気づきました。
大学での専攻は心理学で、法律を学んだことは一切ありませんでしたので、最初は結構苦労しました(笑)。
法律が必要というのは、どのようなお仕事だったのでしょうか。差し障りのない範囲で教えていただけますか?
仕事の内容は、自社が管理する著作権を利用したい人と契約を結んで、利用の許諾を出すというのが主なものだったのですが、いくら著作権が法律で守られているからといって、著作権のことをみんながみんな、ちゃんと理解しているわけではないし、理解しているとしても、実際にはどうしたらよいのかわからなくて困っている人もたくさんいることを知りました。
この仕事をする中で、自分が関わっている会社の仕事だけでなくて、似たようなことは世の中にたくさんあって、「知らない」ということで損をしていたり、トラブルに巻き込まれている人がたくさんいるのではないか。そういう人の助けになりたいと思うようになりました。
国の制度は「知らないと損をする」ものが多いですよね。
そうですね。自分の日常の中で考えてみると、「知らなければ損をする」ことの代表的なものが、まさに役所への手続きなのではないかと思いました。国民の役に立つ制度はたくさん用意されていると思うのですが、制度が適用されるはずの人が自ら申請しないと利用できないことになっているのが一般的です。
そして、いざ申請したいと思っても、必ずしも書類の書き方や手続きの方法がわかりやすくはないことも多いですから、「制度を利用したくても、入り口で立ち止まっている」人たちが多くいらっしゃいます。
その方々を助けることができるのが、国家資格である行政書士という仕事なのではないかと思ったのです。
なるほど、そこから今のご職業につながるわけですね。
はい。しかし行政書士になるにはもちろん試験に受かる必要がありますので、仕事をしながらですが、毎日少しずつ勉強しました。会社で学んだ法律の知識がここで少し役に立ちました(笑)。なんとか試験に合格することができ、会社を退職、独立開業して今に至ります。
そこから、横川さんは行政書士として開業後に外国人の在留資格を中心に取り扱われることになりますが、そちらのきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
前職で関わることが多かった著作権の契約書ですとか、飲食店の営業許可など、最初のうちは幅広い業務を扱っていましたが、知人から「外国人の雇用に関するビザ手続きがわからない」という相談を受けたことが大きな転機でした。
調べていく中で、在留資格の制度はかなり複雑であるにも関わらず、「こういう時はこうしたらいい」という情報がとても少ないことに驚きました。
そして、「これは専門的にサポートすることが必要な分野だ」と強く感じました。これをきっかけに在留資格業務に注力するようになり、特に外国人を雇用する企業側のサポートに力を入れるようになりました。
より専門家としてのサポートが必要な分野、助けを必要としている人が多い手続きと感じられたわけですね。その中で、横川さんは外国人の雇用の手続きを中心に取り扱われていますか?
はい。現在は、外国人を採用したい企業からのご相談が中心です。
特に「技術・人文知識・国際業務」や「経営・管理」、「特定技能」といった在留資格の申請支援に力を入れています。採用から申請、入社後のフォローアップまで、継続的に支援できる体制を整えています。
その中で、より具体的にはどのようなご相談が多いのでしょうか。
「外国人を採用したいが、どの在留資格で雇えるのか分からない」「内定を出したが、在留資格認定証明書の取得手続きが不安」といった初動の段階でのご相談が多いですね。また、「一度不許可になってしまったが、再申請できるか」といったケースにも対応しています。
不許可からの再審査というのは、たしかに専門家に頼りたくなるケースかもしれません。ところで、その外国人を雇用する手続きですが、会社として最初に気をつけておいたほうがよいことはありますか?
よくあるのが「すでに採用を決めてから、在留資格のことを考える」ケースですかね。業務内容や外国人の学歴・経歴によっては、希望する在留資格での就労が難しいこともあります。特に初めて外国人を雇う企業では、「思っていたよりハードルが高かった」と感じる方も多いです。だからこそ、採用の初期段階から専門家に相談することをおすすめします。
採用する企業側だけでなく、外国人本人にとってもビザの取得はとても大きな問題です。「この会社で働ける」と思っていたのに、在留資格の申請が通らなければ、その方の人生設計も大きく狂ってしまいます。だからこそ、企業として責任をもって、法的な条件や申請準備をしっかり確認しておく姿勢が求められます。

ありがとうございます。ところで、横川さんは業務の依頼を受けた際、どのようなことに気をつけながら手続きを進められるのでしょうか。
会社という組織の一員としての採用担当者のかたが困らないように、という視点は忘れないようにしています。とくに、担当者のかたが社内で状況を説明することができるように、「制度の説明をわかりやすく、かみ砕いて伝えること」は大事にしています。
また、申請書類の作成だけでなく、採用から実務上の運用までを一緒に考えさせていただければと思っています。
横川さんの会社員時代の感覚が、その辺りは活かされる部分なのかもしれませんね。話題が変わりますが、今日はこちら(ヨコカワ行政書士事務所)にお伺いしましたが、事務所の場所はどのように決められたのでしょうか。
相談のしやすさを第一に考え、アクセスの良い場所にしました。
代官山駅からは徒歩ですぐという印象です。
そうですね。事務所の最寄り駅は渋谷駅から東急東横線でひと駅の代官山なのですが、JR渋谷駅からもJR恵比寿駅からも徒歩圏内というアクセスのよさが気に入りました。また、代官山はとても落ち着いた街ですので、事務所に来られるかたが落ち着いてご相談いただけるのではないかと思います。
たしかに、この近辺は渋谷や恵比寿に近いわりにかなり落ち着いた雰囲気のあるエリアですね。
はい。こちらからご相談者のもとへ出かける際には、すぐに渋谷駅や恵比寿駅を利用してさまざまな場所へアクセスできますので、たいへん便利に感じています。
品川の東京入管へも事務所から30分以内で行けることもよかったと思う点ですね。
事務所の場所の話とはちょっとズレますが、相談者のかたが遠方であったり、必ずしも直接面談する時間が取れないということもありますから、そういった場合にはZoomなどによる面談をおこなっています。ご依頼を引き受ける際には必ずご依頼者のかたと面談をすることが必要なのですが、最近はZoomなどによるビデオ会議も一般的になっていますので、ずいぶん便利になりました。
最後になりますが、これから外国人の雇用を予定されている会社様、担当者様に、なにかアドバイスがあればお願いします。
有能なIT人材を獲得したいとか、インバウンド対応できる外国語の話せる人材がほしい、人手が足りなくて困っている、など、外国人を雇用したい事情はいろいろだと思いますが、外国人材は会社にとって大きな戦力になりますよね。
業務の内容や本人の学歴・経歴によっては、思っていたビザが取れないこともありますので、まずは、「その仕事がビザの内容に合っているか」を早めにチェックすることが大事です。また、手続きには意外と時間がかかりますので、内定を出したらすぐに動き始めたほうが安心ですね。
外国人を雇用する会社の担当者のかたが、日常の仕事の一環として、慣れない入管手続きをするのはなかなか難しいことだと思いますし、時間もかかります。
行政書士という専門家が関わることで、入社までのスケジュールをよりスムーズに進めていけるお手伝いをすることができたら大変うれしいです。わからないこと、心配なことがありましたら、遠慮なくご相談いだければと思います。
本日はありがとうございました。