外国人留学生、特に専門学校で学ぶ学生さんの採用を検討されている採用担当者の皆さま
専門学校生は留学ビザで日本に在留していますが、卒業後、日本の企業に就職するときには就労ビザに変更する必要があるのはご存じのとおりです。
しかし、「即戦力の若手を採用したい」という期待がある一方で、いざビザ申請手続きをしようと思っても、「手続きで失敗したらどうしよう」「大学卒と何が違うのか不安だ」というお悩みも多いのではないでしょうか。
実は、専門学校生の就労ビザへの変更申請には、大学卒の場合とは異なる「専門学校ならではのチェックポイント」がいくつか存在します。この記事では、採用担当者として必ず押さえておきたい「内定を出すとき確認しておきたいポイント5つ」を解説いたしますので、参考にしていただければと思います。
目次
ポイント1:専攻内容と仕事の「密接な関連性」をチェック
まず、入管(出入国在留管理局)の審査において最も重要なのが「学歴と仕事内容の関連性」です。ここで、大学卒と専門学校卒では、求められる「一致度」が大きく異なります。
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大学卒業者(学士): 大学では広い教養を学んでいると見なされるため、専攻と仕事内容に「ゆるやかな関連性」があれば許可されます。
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専門学校卒業者(専門士): 専門学校は「特定の職業スキルを学ぶ場所」と定義されているため、専攻と仕事内容に「密接な関連性」が求められます。
具体的なチェック方法
専門学校が作成している「成績証明書」や「カリキュラム表」「履修要綱」などを本人から出してもらい、学んできたことを確認するのが一番確実です。
例えば、ホテルの専門学校を出た学生さんが、IT企業のエンジニアとして採用されるのは、学校での学びと仕事が直接結びつかないため、非常に難しくなります。 内定を出す前に、「この子が学校で2年間(あるいは3〜4年間)学んできたこと」と「自社で任せるメインの仕事」が、一本の太い線でつながっているかを確認してください。もし「少しズレているかな?」と感じたら、成績証明書の中に、その仕事に役立ちそうな科目が一つでも多く含まれているか、学生さんと一緒に探してあげることが大切です。
ポイント2:「専門士」の称号と卒業見込みの確認
専門学校を卒業する際、すべての学生が就労ビザを申請できるわけではありません。一定の基準を満たした課程を修了し、「専門士」という称号をもらえることが必須条件になります。
なぜこれが重要なのか
入管法jでは、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)を取得できるのは、「大学卒業者」または「専門士以上の称号を持つ専門学校卒業者」と決まっています。
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確認事項: 「修業年限が2年以上」「総授業時間数が1,700時間以上」などの条件をクリアし、卒業時に「専門士」が付与される学科かどうか、学校の先生や本人に確認しておきましょう。
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注意点: 1年制のコースや、日本語学校の卒業だけでは就労ビザは取得できません(※10年以上の実務経験など別条件を除く)。「卒業見込み証明書」の中に「専門士」の記載があるかどうかが、安心への第一歩です。
ポイント3:学校の成績と出席率は?
審査に直結する非常に重要なポイントです。専門学校生の場合、成績と出席率は「本人がどれだけ誠実に日本での生活を送ってきたか」を測る、入管からの「信頼のスコア」になります。
基準となる出席率の数字
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80%以上: 一般的に安心と言われるラインです。
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70%台: なぜ出席率が下がってしまったのか、詳細な理由書(病気、怪我、家庭の事情など)と、それを証明する書類(診断書など)が必要になります。
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70%未満: かなり厳しい審査が予想されます。
もし成績が芳しくないとか、出席率があまりよくない場合には、その理由を本人と一緒に整理し、どう説明すれば入管に理解してもらえるかの準備をしておきましょう。
ポイント4:「現場仕事」の割合を整理する
せっかく専門知識を持つ学生さんを採用しても、入管が「その仕事は誰でもできる単純作業だ」と判断してしまうと、ビザは不許可になってしまいます。専門学校生の場合、この判定が大学卒よりも厳しく行われる傾向にあります。
「研修」という言葉の扱い
「まずは現場を知るために、半年間はレストランの接客や工場のラインに入ってもらおう」という教育計画は、一見合理的です。しかし、専門学校生の場合、その期間が長すぎたり、目的が曖昧だったりすると、「専門知識を使わない不適切な雇用」と疑われてしまいます。
対策のコツ
たとえ研修期間であっても、
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「外国人スタッフのリーダー候補としての管理業務」
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「母国語を活かしたマーケティングや翻訳業務」
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「学校で学んだIT技術を活かしたシステム管理」 など、「学んだ専門知識を使っている時間」が1日の大半を占めることを、会社側の書類でしっかりと説明してあげてください。「将来のリーダーとして、現場の課題を専門的視点で分析させるための研修である」といった丁寧な説明が、許可をたぐり寄せます。
ポイント5:送り出す側の「学校」を味方につける
専門学校の就職課や担任の先生方は、いわば「ビザ申請の伴走者」です。留学生を多く受け入れている学校には、過去にどのような職種でビザが許可されたかという膨大なデータがあります。
学校に協力してもらうべきこと
企業側だけで理由書を作るのは大変ですが、学校側から以下のようなサポートをもらうと非常に心強いです。
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推薦状の発行: 「この学生は優秀で、この仕事に最適です」という学校名義の公文書。
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シラバス(講義詳細)の提供: 科目名だけでは伝わらない「学びの深さ」を証明する資料。
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適正校の証明: 入管から「適正校」として認められている学校であれば、それだけで学生個人の信頼性が高まります。
学校と企業が手を取り合うことで、学生さんは大きな安心感を持って入社準備を進めることができます。
まとめ:専門学校生の採用を「成功」で終えるために
専門学校生は、特定の分野において非常に高い意欲と技術を持っています。彼らを迎えることは、御社の組織に新しい風と活力をもたらすことと思います。
しかし、ここまで解説しました通り、専門学校生のビザ審査は大学卒よりも審査が厳しくなることは否めません。「もし不許可になったら、この子の日本での生活がスタートできなくなるかもしれない」 「内定を出したのに、入社日に来られないなんてことになったら……」 そんな不安を抱えたまま、慣れない書類作成に時間を費やすのは、人事担当者の皆様にとっても大きな負担ではないでしょうか。
そこで、ぜひ検討していただきたいのが、私たちのような申請取次行政書士です。
行政書士に相談するメリット
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「許可の可能性」を事前にジャッジ: 申請前に、本人の成績や学校のカリキュラム、御社の業務内容をプロの目で精査し、リスクを洗い出します。
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「説得力のある理由書」の作成: 「なぜこの学生でなければならないのか」を的確に説明し、許可率を最大限に高めます。
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会社と学校の「橋渡し」: 学校からどのような資料をもらえば有利になるか、ディレクションいたします。
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万が一の「追加資料」にも対応: 入管から厳しい問合せが来たときは、迅速かつ適切に回答を作成します。
専門学校生という「金の卵」を、確実に御社の戦力として迎え入れるために、もし少しでも「このケースは大丈夫かな?」と気になられたら、ビザの申請を専門とする当事務所にご相談ください。
相談は無料で承ります。相談してみた結果、「やはり自社で手続きをやってみます」とか「他の事務所に依頼します」となっても大丈夫です。あとから電話やメールでしつこくご連絡することもありませんので、ご安心ください。
不許可のリスクを最小限にし、学生さんも会社も笑顔で入社日を迎えられるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。御社の新しい仲間が、無事に日本でのキャリアをスタートできることを、心から願っております。
★よろしければこちらの記事もご参照ください。
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