【保存版】ビザ審査結果待ちでも出国できる? リスク回避と注意点

相談者:IT企業で働く20代外国人女性

まもなくビザの期限が切れるので、更新の申請を出しているところです。まだ許可の連絡が来ていないのですが、年末の休みに入るので、母国の実家に帰省しようと思っています。ビザの申請中に日本を出ても大丈夫なのかどうか心配です。

回答者:行政書士

ビザの変更や更新の申請中に出国することは問題ありません。ただし、気を付けるべき点がいくつかあります。知らないで出国してしまうと、帰って来られなくなることもありますので、この記事でくわしくご説明します。

「現在、在留期間更新許可申請中なのですが、来週から2週間ほど母国へ帰っても大丈夫でしょうか?」

当事務所には、このような相談がよく寄せられます。 結論から申し上げますと、

大丈夫です。申請中に日本を出国することは、法律上全く問題ありません。

申請を出したからといって、日本に縛り付けられるわけではありませんし、出国したことによって審査が不利になることも原則としてありません。 ただし、これには「絶対に守らなければならない条件」と「知っておくべきリスク」が存在します。

何も知らずに出国し、空港で「日本に戻れません」と言われてしまってからでは手遅れです。 この記事では、審査待ちの外国人の方が安心して海外に行き、そして無事に日本に戻ってくるために必要な知識を、プロの視点でわかりやすく解説します。

 

1. 申請中にビザの期限が切れても大丈夫?

「もし、申請中にビザが切れてしまっても大丈夫ですか?」
大丈夫です。その法的根拠を知っておきましょう。ここを理解していれば、無用な焦りはなくなります。

「特例期間」という最強の猶予

在留期限(ビザの満了日)までに、更新や変更の申請を受理されていれば、結果が出るまでの間は「特例期間(とくれいきかん)」という状態になります。

これは、もし審査中に在留カードの日付(満了日)が過ぎてしまっても、以下のどちらか早い時までは、適法に日本に居られる(&日本に戻ってこられる)という制度です。

  1. 審査の結果(許可または不許可)が出た日

  2. 本来の在留期限から「2ヶ月」を経過する日

つまり、「結果が出る」か、あるいは「元々の期限+2ヶ月」までは、今のビザが有効なまま延長されているとみなされます。だからこそ、この期間内であれば出国も再入国も可能なのです。

 

2. 申請中に出国しても大丈夫?

ビザの審査待ちの状態でも、出国してかまいません。
ただし、日本を出る前に、必ずやってほしいこと、持っていてほしいものがあります。

1. 空港での手続き:「みなし再入国許可」

出国する際は、空港の出国審査場で必ず「みなし再入国許可」の手続きを行ってください。これは、専用のカード(EDカード)の「みなし再入国許可による出国を希望します」という欄にチェックを入れるだけの簡単な手続きです。

  • 有効期間:出国から1年間(ただし在留期限が先に到来する場合はその日まで)

  • 手数料:無料

これを忘れて出国してしまうと、その瞬間にあなたのビザ(申請中のものも含めて)は消滅し、申請も取り下げ扱いになってしまいます。絶対にチェックを忘れないでください。

2. 在留カード裏面の「申請中」ハンコ

入管に申請を提出した際、在留カードの裏面に「在留資格変更許可申請中」または「在留期間更新許可申請中」というスタンプが押されているはずです。 これがあることが、「現在、特例期間中であること」の証明になります。空港の審査官もこれを確認します。必ずこのカードを持って出国してください。

3. 申請受付票(控え)

パスポートにホッチキス留めされているか、あるいは別紙で渡されている「申請受付票」。 基本的には在留カード裏面のスタンプがあれば大丈夫ですが、トラブル防止のため、この受付票も必ず携帯して渡航してください。

4. 「誰が」結果を受け取るかの確認

これが最も重要です。あなたが日本にいない間に、入管から結果通知(ハガキや封筒)が届くかもしれません。

  • 申請を行政書士に依頼している場合:行政書士が対応するので安心です。

  • 自分で申請した場合:自宅のポストにハガキが届きます。あなたが不在の間、同居人が気づかずに捨ててしまったりするリスクがあります。 長期で不在にする場合は、信頼できる友人にポストを確認してもらう等の対策が必要です。

 

3. 渡航中に連絡があったらどうする?

「出国できる」ことと「リスクがない」ことはイコールではありません。 以下のような事態が起きる可能性を想定して動く必要があります。

リスク1:海外にいる間に「結果」が出てしまったら?

【許可の場合】 行政書士や家族から「許可のハガキが届いたよ」と連絡を受けたとします。 新しい在留カードを受け取るためには、入管の窓口に「パスポート」と「古い在留カード」を持っていく必要があります。 当然、あなたがパスポートを持って海外にいる間は、誰も新しいカードを受け取れません。

対策:帰国してから受け取りに行けば大丈夫です。ただし、「特例期間(2ヶ月)」が終わる前に帰国し、受け取る必要があります。

【緊急Q&A】通知書の「受領期限」に間に合わない時は?

ここで、多くの方がパニックになるケースについて解説します。

Q. 入管から届いたハガキに「〇月〇日までに来てください」と書いてあるのですが、その日はまだ海外にいて行けません! どうすればいいですか?

A. 落ち着いて、入管に電話で連絡を入れれば大丈夫です。

ハガキに書かれている指定日(受領期限)は、あくまで入管が事務的に設定した目安の期日です。以下の手順を踏めば、帰国するまで待ってもらえます。

  1. すぐに連絡する: 友人に頼むか、自分で海外から国際電話をかけ、ハガキに記載された担当部門に連絡します。

  2. 事情を伝える: 「申請番号〇〇番の△△です。許可のハガキが届きましたが、現在一時帰国中で日本におりません。〇月〇日に帰国するので、それ以降に取りに行っても良いですか?」と伝えます。

  3. OKをもらう: 通常、正当な理由(みなし再入国中)があれば、期限の延長を認めてもらえます。

【絶対にやってはいけないこと】 「どうせ行けないから」と、連絡もせずに無視することです。 無断で長期間放置すると、申請の意思がないとみなされ、最悪の場合は許可が取り消される可能性があります。必ず一報を入れてください。

【注意:待ってもらえないケース】 いくら電話をしても、「特例期間(元の期限+2ヶ月)」を超えて待ってもらうことは法律上できません。 ハガキの指定日は延長できても、「特例期間の満了日」は1日たりとも延長できません。 必ずその日までに帰国してください。

リスク2:追加資料の提出を求められたら?

これが一番怖いです。「審査のために、この書類を追加で出してください」という通知が届くことがあります。提出期限は通常1週間~2週間と短いです。

対策:郵便物をチェックできる人がいないと、期限を過ぎてしまい「不許可」になる恐れがあります。申請の段階から行政書士に依頼していれば、行政書士が代わりに対応できるため、このリスクはゼロになります。

リスク3:特例期間の「2ヶ月」リミット

もし審査が長引き、さらにあなたが海外に長期滞在してしまい、「在留期限から2ヶ月」が経過しそうになったらどうなるでしょうか?

結論:日本に戻れなくなります。

特例期間は最大でも2ヶ月です。これを超えた瞬間に、あなたの在留資格は失効し、申請も無効になります。 どんなに事情があっても、「2ヶ月の特例期間が終わる日」までには、絶対に日本に入国していなければなりません。 (※ギリギリの帰国は飛行機の遅延リスクがあるため避けましょう)

 

4. 母国滞在中にお金を稼いでもいい?

さて、ここからは少し踏み込んだ質問にお答えします。 「一時帰国中、暇なので母国の友人の店で手伝いをしたい」 「リモートで日本の仕事を続けたい」 このような場合、法的に問題はないのでしょうか?

1. 入管法(ビザ)の視点:【原則OK】

日本の入管法は、あくまで「日本国内での活動」を規制するものです。 あなたが日本の国外(母国など)にいる間に、その国の法律に従って就労することに対して、日本の入管法が「資格外活動違反(不法就労)」として罰することはありません。

  • 留学生の場合:日本でのアルバイトは週28時間以内ですが、夏休みに帰国して母国でフルタイムで働いても、日本の入管法違反にはなりません。

  • 就労ビザの場合:技術・人文知識・国際業務などのビザを持っていて、休暇中に母国で短期アルバイトをしたとしても、日本のビザには直接影響しません。

2. 勤務先(所属機関)の視点:【要注意】

法律上はOKでも、あなたの所属する会社や学校のルールは別問題です。

  • 会社員(就労ビザ)の方:日本の会社に在籍したまま(有給休暇中など)で、母国で別の仕事をする行為は、いわゆる「副業(兼業)」にあたります。

    日本の多くの企業は、就業規則で副業を禁止、または許可制にしています。 「母国だからバレないだろう」と思ってSNSに写真を上げたりして発覚した場合、懲戒処分の対象になる可能性があります。

    最悪の場合、解雇されればビザの維持も難しくなります。 また、競業避止義務(ライバル企業で働いてはいけない等)に違反すると、損害賠償問題にもなりかねません。

  • 留学生の方:学校の長期休暇中であれば基本的に問題ありませんが、学業に支障が出るような長期滞在や就労は避けましょう。

結論:アルバイトについてのまとめ

  • 日本の入管法的には? → OK(母国の法律を守っていれば問題なし)。

  • 会社員の場合は? → 就業規則を確認すべき(無断副業はリスクが高い)。

  • 留学生の場合は? → 基本的にOK。

 

5. 行政書士からのアドバイス~安心して出発するために~

ここまで読んでいただき、仕組みとリスクはご理解いただけたかと思います。 最後に、行政書士として、あなたがトラブルに巻き込まれないための3つアドバイスをあらためてお伝えします。

アドバイス①:スケジュールには「3日の余裕」を持つ

「特例期間の満了日が10月31日だから、10月31日の便で帰国すればいいや」 これは自殺行為です。 台風や機材トラブルで飛行機が1日遅れたら、あなたは日本に入国できず、ビザを失い、仕事も生活も全て失います。 必ず、満了日の数日前には日本に戻れるようなスケジュールを組んでください。

アドバイス②:会社(学校)には正直に伝える

会社に黙って出国し、もし現地でトラブル(病気、事故、フライトキャンセル)があって帰国が遅れた場合、無断欠勤となるだけでなく、ビザの手続きにも支障が出ます。 「申請中ですが、一時帰国します。何か入管から連絡があれば連絡してください」と一言伝えておくだけで、会社側も郵便物の管理など協力してくれるはずです。

アドバイス③:行政書士(申請取次者)を活用する

もしあなたが、まだ申請前であったり、今後も頻繁に出国する予定があるなら、ビザ申請は行政書士に依頼することを強くお勧めします。

行政書士に依頼する最大のメリットは、「あなたが日本にいなくても、行政書士が入管からの通知を受け取り、対応できる」という点です。

  • 追加資料の指示が来ても、行政書士が代わりに作成・提出できます。

  • 許可の通知が来ても、行政書士が預かっておいてくれます。

  • ハガキの期限に間に合わない場合も、行政書士が入管に連絡して調整してくれます。

「安心をお金で買う」という意味で、これほどコストパフォーマンスの良い投資はありません。

 

6. まとめ

在留資格の変更・更新申請中であっても、以下のルールを守れば一時帰国は可能です。

  1. 特例期間(最大2ヶ月)の仕組みを理解し、期限内に必ず戻ってくること。

  2. 出国時に空港で「みなし再入国許可」のチェックを忘れないこと。

  3. 在留カード(裏面に申請中の印)と申請受付票を持っていくこと。

  4. 不在中の郵便物(入管からの通知)を確認できる体制を整えること。

    • もし通知の期限に間に合わなくても、すぐに電話すれば待ってもらえます。

  5. 母国でのアルバイトは入管法上OKだが、会社の就業規則に注意すること。

一時帰国は、久しぶりに家族に会ったり、母国の空気を吸ったりしてリフレッシュできる大切な時間です。 ビザの心配を抱えたまま過ごすのではなく、正しい知識を持って準備し、心からリラックスした時間を過ごしてきてください。

そして、元気な姿で日本に戻り、無事に新しい在留カードを手にされることを心より願っております。

もし、ご自身のスケジュールや個別の事情で不安な点があれば、出国前に一度、ビザ専門の当事務所にご相談ください。あなたの状況に合わせた最適なプランをアドバイスさせていただきます。

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